FC2ブログ
このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

がんの余命について

「私はあとどれくらい生きれますか?」
時々、がん患者さんから質問されます。

がんと告知された患者さんは、「自分のがんがどのくらい進行しているのか?」を知りたいのは当然です。
また、一番知りたいのは、「あとどのくらい生きれるのか?」ということでしょう。

でも、わたしは、医師に余命(よめい)を聞くのはおすすめしません

特に、最初の検査がひととおりすんで、治療の計画を相談している段階ではむしろ聞かない方がいいでしょう。

このような質問をされた場合、医師はとりあえずがんの部位やステージを考え、平均的な生存期間や5年生存率(診断もしくは手術後、5年経過した時点での生存率)を答えます。

例えば、胃がんのステージ4だったら、「平均の生存率がXXヶ月だから、あなたもXXヶ月くらいでしょう。」といった具合です。

ただ、わたしの経験からいうと、(私自身も含めて)医師の予想は結構当たりません。

どうしてでしょうか?

まず第一に、医師の答える余命は過去のデータを参考にした平均余命ですので、患者さん1人1人の余命は短期間から長期間までかなりはばがあります。

また、治療前の画像検査だけのステージはあまり正確ではなく、間違っていることもあります。
例えば、胃がんの患者さんがCTスキャンで大動脈のまわりのリンパ節がはれていた場合、転移と考えてステージ4と診断しますが、実際には転移でないこともあります(実際には、手術などでリンパ節を採取し、顕微鏡検査をしてみないと転移かどうかは分かりません)。
この場合、ステージが変わってきますので、医師の予想した余命はまったく参考にならないことになります。

次に、たとえ同じ場所にできた同じステージのがんだとしても、その悪性度はさまざまで、患者さんによって進行の早さや治療の効き具合は全くちがってきます(がんの悪性度については、こちらをみてください)。

また、当然ですが選択する治療(あるいは治療を受けない)によっても余命は変わってきます。
最近ではいろいろながんに対する分子標的治療薬(がん細胞に特有の分子をねらい撃ちする薬)がつぎつぎと開発されており、がん患者さんの生存期間はどんどん延びています。

ですから、胃がんのステージ4でも、3ヶ月で死ぬ人もいれば、1年以上生きる人もいるわけです。

次に、医師は全てのがん生存率の最新のデータを覚えているわけではないので、数年前のうろ覚えのデータを参考に、とっさに(適当に)答えることもあるからです。

例えば、がんが全身に転移しているような患者さんに対しては、「3ヶ月からもって半年」といったあまり根拠のない答えが返ってくるかも知れません。

さらに、一般的に医師は余命を短めに言う傾向があります。

これは、患者さんの家族から「先生はXXヶ月といったのに、それより短い期間で死んだ」というクレームがでるのを避けたいのと、逆に「先生が言ったXXヶ月よりも長く生きることができた」ということで、患者さんや家族に治療がうまくいったという印象を与えたい気持ちからです。

短い余命を告知された場合、あたりまえですが落ち込んでしまい、治療に前向きになれないどころか、うつ状態にさえなる患者さんがいます。
「あとXXヶ月」という余命が頭から離れず、日々の生活の質(クオリティーオブライフ)が非常に下がってしまいます。
当然免疫力も低下し、治療にもマイナスになります。

ですから、医師に「わたしはあとどれくらい生きれますか?」と聞くのは止めましょう。



いつも応援ありがとうございます。

更新のはげみになりますので、
「読んでよかった」と思われたら
クリックをお願いします!
   ↓


人気ブログランキングへ
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

佐藤 典宏(さとう のりひろ)

Author:佐藤 典宏(さとう のりひろ)
みなさん、こんにちは!
北九州の大学病院で消化器外科医として働いています。
がん患者さんにとって、少しでも役に立ち、またはげみになる情報をお伝えできればと、ブログを開設しました!よかったら、こちらのサイトもどうぞ↓↓↓

あきらめない!がんが自然に治る生き方
ブログランキング参加しています!応援よろしくお願いします_(._.)_


医師 ブログランキングへ

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。