FC2ブログ
このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

膵臓がんと闘ったスティーブ・ジョブズ がんに対する心構えの重要性

steve-jobs

スティーブ・ジョブズのことを知らない人はいないと思いますが、アップル社の創始者で元CEOですね。

今日はジョブズが膵がんを発症し、8年にわたって闘病する姿を振り返り、がんの治療に参考になることはないかを考えてみたいと思います。

スティーブ・ジョブズのがん闘病


彼は、2003年にたまたま腎結石の検査中、膵臓がんを発見されます。
おそらくこの時点では画像検査上、転移はなかったと思われます。
医師やまわりの友人たちは手術をすすめましたが、ヒッピーだった彼は西洋医学を否定し、まずは代替治療を選択します。

元々菜食主義者ではあったのですが、彼は食事から肉、魚、卵、乳製品を完全に排除し、にんじんジュースとフルーツジュースだけを摂りました。
さらに、鍼灸治療やハーブ療法を追加しました。

しかし、9ヶ月後の2004年7月、再検査でがんは大きくなっていました。

とうとうジョブズは手術(膵切除)を受けたのですが、すでにがんは肝臓へ転移していました。
以後、抗がん剤治療を受けることになります。

一旦は抗がん剤の効果があったようですが、その後、肝転移は増大していきます。

2009年3月、ジョブズは肝移植を受けます。
その後、なんと3ヶ月後には仕事に復帰しています。
すごい執念ですね。

2011年10月5日、スティーブ・ジョブズは家族に見守られながら亡くなりました。
56歳でした。
がん発見からおよそ8年たっていました。

スティーブ・ジョブスの発症した神経内分泌腫瘍(pNET)とは?


このように、非常に予後の悪い膵がんであったにもかかわらず、8年という長い経過をたどった理由として、ジョブズの膵がんが、通常のものとは異なったタイプであったことが挙げられます。

彼の膵がんは、「膵神経内分泌腫瘍(pNET)」という特殊なタイプのがんでした。
これは、膵臓にあるホルモンをつくる細胞から発生する腫瘍(良性から悪性までさまざま)です。

通常、膵がんは、浸潤性膵管癌(しんじゅんせいすいかんがん)がほとんど(95%程度)です。
これは、膵管という膵液を流す管に発生するタイプのがんで、悪性度が非常に高いがんに分類されます。
例えば、がんがすぐに膵臓から飛び出し、まわりの臓器や血管、リンパ管などに侵入し、また血液にのって肝臓など遠くの臓器に転移します。
5年生存率は7%程度です。つまり、ほとんどの患者さんは5年以内に亡くなるのです。

一方、pNETの進行は、この通常の膵がんに比べると比較的ゆっくりで、悪性度は腫瘍の種類(細胞のつくるホルモンの種類など)によってさまざまです。

pNETのなかにも全身に転移をしてあっという間に亡くなる悪性度の高いものもありますが、一般的にpNETは手術で完全に治る可能性が高いと言われています。

スティーブ・ジョブズの選択したがん治療


では、彼の選択は正しかったのか?

なかには、ジョブズがまわりの助言を聞き入れ、発見されてすぐに手術を受けていたら、まだ生きていた可能性が高いという人もいます。

しかし、私はジョブズが自分自身で治療方針を決定したのなら間違ってなかったと思います。

ジョブズが代替治療を行っていた9ヶ月間にがんが転移した可能性もたしかにありますが、がんが発見された時点で、すでに肝臓に(画像検査ではわからない)がんの芽が転移していた可能性もあります。

手術で根治する可能性が高いと言われるpNETですが、腫瘍のタイプによっては術後に再発・転移することも少なからずあります。

もし早期に手術していたら、免疫力が低下し、もっと早く肝臓に転移したがんが大きくなっていたかも知れません。

これは誰も分らないことなのです。

ただ、ひとつ言えることは、紆余曲折はありましたが、最終的にはジョブズは3大治療と代替治療の両方を組み合わせてがんに立ち向かったということです

どちらかだけでは、こんなに長く生きられなかった可能性もあると思います。

また、彼の家族への愛、仕事に対する並々ならぬ執念が彼をここまで長生きさせたといえるでしょう

がん治療においては、「心構え」が大切であるということ。
ジョブズの闘病から得られる一つの教訓だと思います。



いつも応援ありがとうございます。

更新のはげみになりますので、
「読んでよかった」と思われたら
クリックをお願いします!
   ↓


人気ブログランキングへ
関連記事

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

コメント拝見しました。
ご心配なことと思います。
どちらの病院でしょうか?

Re: No title

ご相談に乗れるかどうか分かりませんが、どちらの病院でしょうか?

> はじめまして、
> 現在pnetの疑いがあるとして検査入院が決まっています。
> かかっている病院はhttp://jnets.umin.jp/member.htmlに三名名前が載っていますが、専門性があるのかが全く分かりません。
> 専門性の有る無しの見極めが出来ず困っています。
> もし、可能であればご助言をいただけたら幸いです。
> よろしくお願い致します。

No title

佐藤先生

ご返信ありがとうございます。
現在は「聖マリアンナ医科大学」にかかっております。
超音波内視鏡の結果、疑いがあると言われ、再来週より生検等で検査入院となってはおります。
しかし、「横浜市大の方がこの病気に関しては専門性がある」とのアドバイスを受けまして、検査入院の前に市大に移ろうかと考えております。

よろしくお願い致します。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

佐藤 典宏(さとう のりひろ)

Author:佐藤 典宏(さとう のりひろ)
みなさん、こんにちは!
北九州の大学病院で消化器外科医として働いています。
がん患者さんにとって、少しでも役に立ち、またはげみになる情報をお伝えできればと、ブログを開設しました!よかったら、こちらのサイトもどうぞ↓↓↓

あきらめない!がんが自然に治る生き方
ブログランキング参加しています!応援よろしくお願いします_(._.)_


医師 ブログランキングへ

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。