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膵臓がんの術後合併症について 「どんな合併症がありますか?」

膵臓がんの術後合併症

膵臓がんは予後が悪いがんの代表で、多くの場合、診断された時点で手術による切除ができないくらい進行しています。

しかし、およそ20%の患者さんでは、がんが膵臓内にとどまり、切除が可能である段階で発見されます。

手術によって完全にがんが除去された場合には根治(完全に治ること)の可能性があります。

しかし、膵臓がんの手術はからだに対する負担(侵襲)も大きく、術後に合併症がおこるリスクも高いため、慎重な術後経過の観察が必要です。

膵臓がんの術後合併症


膵臓がんの術後には、いろいろな合併症がおこる可能性があります。

その多くは適切な処置で回復しますが、なかには命をおびやかすような重大な事態を引き起こすものや、ひとたびおこったら致命的となるものもあります。

以下、膵臓がんの手術後に比較的多くみられる合併症について説明します。

■出血


どんな手術でも、術中や術後出血のリスクはありますが、膵臓がんの手術では大きな血管を処理することが多いため、他の手術と比べても出血のリスクが高くなります。

少ないですが、術後に腹腔内や消化管内に出血し、緊急の血管造影による止血や再手術が必要となる可能性もあります。

■膵液ろう


膵臓を切った端(または残った膵臓の表面)から膵液がもれるという合併症です。膵臓の機能の一つは、消化液(膵液)をつくり、腸の中に流すことです。
膵臓は全体で消化液をつくりますので、膵臓の表面がちょっとでも破れたり、膵臓を切ったりすると、どこからでも消化液がしみ出してきます。

膵頭十二指腸切除術(膵臓の頭の部分の切除)では約10~20%、膵体尾部切除(膵臓のしっぽの部分の切除)では20~30%におこると報告されています。

膵液は強力な消化液であるため、お腹の中にもれた場合にはまわりの組織や血管を消化してしまいます。
このため、溶けた組織に細菌が感染して腹腔内膿瘍という膿(うみ)のたまりができたり、動脈が破れて大出血がおきたりすることがあります。

このように、膵液ろうは時として命を脅かすことさえある大変危険な合併症です。

■縫合不全(ほうごうふぜん)


膵頭十二指腸切除術の場合、切除した後に、残った膵臓と腸(あるいは胃)をつなぐ以外に、胆管と腸、胃(あるいは十二指腸)と腸をつなぎます。
しかし、様々な原因でうまくつながらず、つなぎ目から胆汁(たんじゅう)や腸液がもれることがあり、これを縫合不全といいます。

糖尿病などの合併症のある患者さん、栄養状態の悪い患者さん、あるいはステロイドという薬を長期に内服している患者さんでは組織の治る力が弱く、縫合不全が多いと言われています。

■腸閉塞


膵臓の手術に限らず、お腹の手術のあとに腸が癒着(ゆちゃく)します。
特に、消化管の再建(つくりなおし)をした場合には、この癒着も強くおこります。
この癒着が原因で、腸がよじれたり、腸の通過が悪くなることがありますが、これを腸閉塞といいます。

腸閉塞は術後しばらく(数年後の場合もあります)たってからおこることもあるため、吐き気や便秘が続く場合には注意が必要です。

■糖尿病


膵臓を切除することで、膵臓の内分泌機能(インスリンなどのホルモンを分泌して血糖値をコントロールする機能)が低下することがあります。

このため、術後に糖尿病を発症したり、もともと糖尿病があった患者さんでは悪化したりすることがあります(膵臓の切除をした患者さんでも、糖尿病になる場合とならない場合があります)。

したがって、膵臓がんの術後には定期的に血糖値など糖尿病の検査を行う必要があります。

■栄養失調、体重減少


膵臓がんの術後には、食事の量が減ったり、消化吸収の障害がおこったりすることがあり、栄養失調(低タンパク血症や貧血)となる場合があります。
また、ほとんどの患者さんで体重が減ります。

この場合、少なくても栄養価が高く、消化の良い食べ物を食べたり、経管栄養剤(エンシュアHなど)にて栄養を補給したり、また消化酵素の内服薬によって対応します。
長期的には徐々に栄養失調は改善していくことがほとんどです。


以上が膵臓がんの手術後に比較的多くみられる合併症です。
これ以外にも肺炎、脳梗塞、肺梗塞、心筋梗塞など、致命的となる可能性のある合併症もあります。

膵臓がんの手術を受けられる患者さんは、これら合併症のリスクについて十分に外科の医師と話し合い、納得して手術をうけてください。



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手術を受けるすべてのがん患者さんへ!術前にやってほしいこと

癌治療

がんに対する治療法は日々進歩しています。
新しい抗がん剤や放射線治療、さらには免疫チェックポイント阻害剤などの免疫治療も開発され、実際の臨床で使用されるようになりました。

外科の分野では、より安全な手術術式や、患者さんへの負担を軽くする低侵襲手術(腹腔鏡手術など)が次々と開発され、良好な成績をあげています。

このような手術の進歩の一方で、術後の合併症はなくなりません。

術後の合併症は入院期間が延びる原因となるだけでなく、重症の場合には死亡(手術関連死)につながることがあります。
また、術後合併症はがんの再発率を上昇させたり、予後が悪くなるといった報告もあります。

さて術後合併症はどうしておこるのでしょうか?
実は、合併症の発生には、手術の方法や技術だけでなく、患者さん側の因子(たとえば併存疾患、栄養状態や免疫力など)も深く関係しています。

したがって、術後合併症のリスクを減らすために、手術前に患者さんが自分自身で出来ることがあります。

がんの手術前に患者さんにしてもらいたいこと5つ



最近では入院期間短縮の流れから、手術の前日に入院することが一般的になりました。
外来から手術まで結構時間が空いてしまう場合もあります。また、患者さんの多い病院などでは、手術が2週間~1ヶ月先になることもあります。

手術を待つ間は、いろいろと心配で何も手につかないかも知れません。
しかし、この手術までの期間に(たとえ短期間でも)、術後の合併症リスクを減らすためにできることがあるのです。

今回は、術後合併症を減らすために、がんの手術前に患者さんに必ずしてもらいたい5つのことを紹介します。

1.栄養状態(特に低タンパク血症)の改善



多くのがん患者さんでは、栄養状態が悪化しています。しかし、低栄養状態(特に低タンパク状態)は術後合併症のリスクを上昇させます。

栄養状態の指標にはいろいろありますが、血液中のアルブミン値が低下(一般的には血清アルブミン値が3.5 g/dL以下)している場合には、栄養状態が低下していると考えられます。

このような患者さんでは、術前に良質のタンパク質を摂取し、出来るだけ低アルブミン血症を改善しておくことが大切です。

食欲がない方や、消化管のがんで食事があまり摂れない患者さんなどでは、病院で経管栄養剤(エンシュアHなど)を処方してもらうのもいいでしょう。また、抗炎症作用があるEPA配合の栄養機能食品(プロシュア)や、免疫強化栄養剤(インパクト)などが市販されていますので、試してみるとよいでしょう。

2.筋肉やせ(サルコペニア)の改善



サルコペニアとは、筋肉量および筋力が低下した状態のことで、食道がん、胃がん、膵臓がんなどの患者さんに多いとされています。

じつは、このサルコペニあるいは肥満を伴うサルコペニア)がある患者では、術後の合併症リスクが高くなり、また生存率が低下することが報告されています。

そこで、術前にできるだけサルコペニアを改善することが必要です。
サルコペニアを防止あるいは改善させるためには、プロテインの摂取とレジスタンス運動が必要です。

詳しくは下記の記事をご参照ください。
死亡率が上昇:がん治療の大敵サルコペニアとは?

3.口腔ケア(歯科受診、歯周病のチェック・治療)



多くの研究により、歯周病が食道がんなどの術後合併症(とくに肺炎や傷の化膿などの感染性合併症)のリスクとなることが分っています。

最近では、積極的に術前の口腔ケアを取り入れている病院もあります。もし手術を受ける病院で歯科(あるいは口腔外科)受診や術前口腔ケアの説明がなかった場合には、自分でかかりつけの歯科へ行き、歯周病、う歯のチェック・治療および専門的な口腔内清掃を受けてください。また、毎日の口腔ケア(清掃方法)の指導を受けましょう。

また手術前から歯科を受診することは、全身麻酔の時の気管挿管(呼吸補助のチューブを気管に入れること)による歯の破損や誤飲の予防になるといったメリットもあります。

4.免疫力を高める



がんになると様々な身体的・精神的な理由から、免疫力が低下します。免疫力が低下すると術後合併症のリスクが増加します。例えば、免疫状態の指標である総リンパ球数が少ない人では、術後の合併症が増えることが明らかとなっています。

免疫力を高める方法としては、規則正しい生活、適度な運動、ストレスを減らす生活、食事、サプリメントなどがあります。
詳しくは、「がんの発生・再発を防ぐ免疫監視機構の重要性」をどうぞ。

また免疫力を保つためには十分な睡眠をとることが大切です。がんのことが気になって眠れないようでしたら、遠慮なく主治医に相談しましょう。

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5.呼吸・禁煙訓練



喫煙は、術後肺炎などの重大な合併症のリスクとなります。命にかかわると決心し、手術が決まったらすぐに禁煙しましょう。

また、慢性の閉塞性肺疾患(COPDなど)があり、呼吸機能が低下している患者さんでは、術前の呼吸訓練が術後呼吸器合併症の減少のために重要です。
このような合併症がある患者さんや、長年喫煙を続けているような方は、呼吸訓練について積極的に主治医に相談しましょう。

以上、がんの手術が決まったら、必ず術前にしてほしいことでした。



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がんと診断されたら:信頼できる主治医(担当医)を探しましょう!

理想の医師


がんの治療を受ける場合、主治医(担当医)との信頼関係はもっとも大切なことのひとつです

なぜならば、患者さん自身が「この治療でがんが治る」、あるいは「この治療で症状がとれる」と信じて疑わないことが、治療がうまくいく前提条件だからです。

逆に、患者さんが治療効果を疑ったり、納得がいかないまま受けるようでは、あまり効果が期待できません(あるいは効果があったとしても、一時的なものになるでしょう)。

多くの場合、がんの治療は長期戦になります。
5年、10年と治療や検査(経過観察)を続ける必要があります。
ですから、がんを治すためには、信頼できる主治医を探すことが重要なのです


なぜ信頼できる主治医が必要か?


みなさんはプラセボ(プラシーボ)についてご存じでしょうか?
「偽薬(ぎやく)、ニセ薬」とも言われますが、有効成分を含まない薬のことです。
つまり、本来ならば有効成分を含まないため、治療の効果はないはずです。

しかし、実際には薬をもらっただけで安心したり、「自分が飲んでいる薬は効き目がある」と思い込むことで、病気の症状が改善することがあります。
これをプラセボ効果と呼んでいます。

わたしは薬に限らず、患者さんと医師の間にある信頼関係にも、このプラセボ効果と同じような作用があると思います。

例えば、医師が「大丈夫、よくなってますよ」とか、「この治療法はきっと効きますよ」という言葉をかけたり、余裕のある態度で接した場合、患者さんも安心して治療を受けることができ、やはりプラセボ効果といえるような治療効果が得られると実感しています。

逆に、患者さんに治療効果について聞かれて、「どうですかね~?」とか、「まあ、あまり期待しない方がいいですよ」といった返事では、安心して治療を受けることもできませんし、効果も期待できないでしょう。

医師のことばや態度は、患者さんの気持ちやひいては治療効果に大きな影響をおよぼします。
例えば、がんの手術後の患者さんは、外来で定期的に腫瘍マーカーなどの検査を行いますが、数値が少し上昇していた場合、「たぶん再発してますね、追加の検査をしてみましょう」と、「おそらく大丈夫だと思いますが、次の検査でも上がるようなら追加の検査をしてみましょう」では、患者さんの日々のストレスや治療に対する気持ちも変わってきます。

ですので、主治医を選ぶ際には、信頼できる医師を選んでください。
もちろん地理的・金銭的な問題で医者を選ぶことが不可能な場合もあるかもしれません。
しかし、少なくとも、(納得がいかないまま)最初にかかった病院の最初に担当になった医師にすべてをお任せするのは避けましょう。

とは言え、短い外来での受診時間で信頼できる医師を選ぶことができるのか?
どんな医師が理想的なのでしょうか?
まずは以下の点についてチェックしてみましょう。


理想的な主治医のチェックリスト

理想の主治医

☑ 笑顔で話してくれる(あるいは少なくとも優しそうな外見)
☑ イライラしていない
☑ ゆっくりと目をみて話してくれる
☑ 何でも話しやすい
☑ 質問してもイヤな顔をしない
☑ 複数の治療法(あるいは治療をしないというオプション)を提示してくれる
☑ 患者さんの提案した治療法(例えば代替医療)を頭ごなしに否定しない
☑ 他の病院や医師の悪口を言わない
☑ 治療の選択(意思決定)を急がせない(少なくとも1回目の説明で決めさせない)


非常に単純ですが、以上が(わたしの考える)理想的な主治医像です。
毎日の外来では、できるだけこのような態度で接するよう努力しています(まだまだ理想とはほど遠い状態ですが・・・)。

「こんなの当たり前」と思われるかも知れませんが、実際にはこのような医師は多くありません。
というか、医療者側の言い訳になりますが、そんな余裕がないのです。
一般的に外来は戦場のように忙しく、1人1人の患者さんとゆっくりお話しする時間もありませんし、ニコニコしていられないのが現実です。

また、治療がうまくいかなかった場合、患者さんや家族に苦情を言われたり、最悪、訴えられるような世の中ですから、医者側としても「きっと治りますよ」などとは気安く言えません。

医師は自分の身を守るため、「ガイドラインではこの治療法がすすめられています」、「この治療が効く可能性は20%です」などと、訴えられないような説明をするのです。

しかし、これでは患者さんも治ると信じて治療に専念することができないでしょう。


理想の主治医にであうためには


■まずは主治医と対話を重ねて信頼関係を築く
医師との面談では、多くの患者さんは何を話したらいいか分らず、医師側からの一方通行となります。しかし、これでは医師は患者さんや家族が何を考えているか分りませんし、信頼関係を築くことはできません。

できるだけ自分から質問などしましょう。あなた自身の考えや希望、不安に思っていることなどを率直に伝え、対話を重ねていくことが大切です。

このためには、外来も1回だけではなく、何度か足を運ぶことをおすすめします。病状や治療方針について説明を受けても、その場で即答することはさけ、最低1週間は考える時間をとりましょう。

また医師も人間です。何度か顔を合わせるうちに、お互いに性格や考え方が次第にわかってきて、徐々に信頼関係が築かれていくはずです。

■複数の科で主治医(担当医)をキープしておく
総合病院などでは、がんの治療はいろいろな科にまたがって行うのが普通です。

病院によっても違いますが、おもに検査や抗がん剤治療は内科、手術は外科、放射線治療は放射線科が担当します。この場合、それぞれの科に主治医(担当医)をキープしておくことをおすすめします

例えば、日本では胃がんや大腸がんなどの消化器がんの手術は外科で行いますが、術後の抗がん剤治療や再発した場合には外科か内科のどちらかでみることになります。

外科の医師が抗がん剤治療についてあまり関心がない(あるいは知識がない)と感じるようでしたら、内科の医師に診てもらうということも可能です。

■主治医(担当医)を変えてもらう
主治医(担当医)とうまくいかなかったり、信頼関係が築けない場合、主治医を別の医師に変えてもらえないか患者相談窓口などに相談することもできます

主治医が気を悪くしたらどうしようなどという心配はいりません。これは患者さんの当然の権利です。

ただ、病院の方針で「主治医の変更はできない」こともあるでしょうし、あるいは院内で以前の主治医とも顔を合わせることがあるかも知れませんので、気まずいこともあるでしょう。

■セカンドオピニオンや他の病院を受診する
どうしても主治医の説明に納得がいかない場合や病院自体の医療レベルに疑問がある場合、セカンドオピニオンや他の病院を受診することをおすすめします

セカンドオピニオンを受けるためには、現在の担当医にセカンドオピニオンを受けたいと考えていることを正直に伝え、紹介状(診療情報提供書)、血液検査結果やCTなどの画像検査結果を準備してもらう必要があります。

セカンドオピニオンを聞く事で病状の理解や納得が深まり、治療を受け入れやすくなることもありますし、より信頼できる医師を紹介してもらえるかも知れません。

とにかく命を預けるわけですから、信頼できる主治医を選ぶことに妥協はできません。
時間と予算の許す限り納得がいくまで理想の主治医を探してください。



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家族性膵がん

家族性膵がん

家族性膵癌とは?


家族性膵がんという言葉をご存じですか?

じつは、5~10%の膵がんは、親から子へ遺伝によって発症すると考えられており、これを「家族性膵がん」といいます(1,2)

厳密には、「親子または兄弟姉妹に2人以上の膵がん患者さんのいる家系の方に発症する膵がん」と定義されています。

家族性膵がんの患者さんの兄弟、子どもが膵癌になるリスクは3倍以上と言われており、親子兄弟に患者さんが2人いる場合には6倍のリスク、3人いると32倍のリスクという報告もあります。

日本ではまだ聞き慣れない言葉ですが、欧米では以前より家族性膵がんについては調査がすすんでおり、このような家族メンバーに対する膵がん早期発見のこころみがすでに行われています。

日本でもようやく家族性膵がんの重要性が認められつつあり、日本膵臓学会は家族性膵がん家系の方や、膵がんについて一定の家族歴を有する方(健常者を含む)を対象として、登録制度(家族性膵がん登録制度)を開始しました(http://jfpcr.com/)。

登録した人にただちにメリットがあるわけではありませんが、この登録制度を利用して、早期診断や、新しい治療方法の開発に関する研究を行うことが計画されているとのことです。

家族性膵がんの原因は?


家族性膵がんの原因は何でしょうか?

家族性膵がんには、乳がんや大腸がんなどと同様に遺伝的背景があることが指摘されています。

まだ全体像はつかめていませんが、これまでの研究により、「家族性膵がん」の患者さんでは、いくつかの特定の遺伝子に変異(DNA配列の変化)があることが明らかとなっています。

例えば、一部の家族性膵がん患者では、乳がんの原因となる遺伝子としても知られているBRCA1やBRCA2に異常があることが報告されています。

しかしながら、他にもいろいろな遺伝子にも変異があることが分っており、家族性膵がんの遺伝子異常は複雑で、均一でないことが明らかとなりつつあります。

家族性膵がん?と思ったら


もし、親(子)または兄弟姉妹に2人以上の膵がんの方がいる場合には、膵がんになるリスクが非常に高くなります。

膵がんは特に早期の場合、通常の検診(レントゲンや血液検査)では分らないことがほとんどです。
したがって、できるだけ早めに専門機関(肝胆膵内科や消化器内科のある比較的おおきな病院)に相談されたほうがよいでしょう。

また、日本における家族性膵がん研究をすすめるために、日本膵臓学会による「家族性膵がん登録」にご登録いただければと思います。

以下が家族性膵がん登録制度の連絡先です。

日本膵臓学会 家族性膵癌レジストリ委員会事務局
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部付属病院肝胆膵・移植外科内
075-751-3736

参考文献
1. 佐藤 典宏, 山口 幸二. 【家族性膵癌:これからの膵癌診療におけるキーワード】 日本における家族性膵癌. 胆と膵. 2013;34:561-3.

2. 佐藤 典宏, 水元 一博, 田中 雅夫. 【膵臓症候群(第2版)-その他の膵臓疾患を含めて-】 膵腫瘍 膵癌 家族性膵癌. 日本臨床. 2011;別冊:322-6.



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理想のがん治療とは?三大療法のいいとこ取り+セルフ治癒

現在のがんに対する標準治療は、三大療法(すなわち、手術、抗がん剤治療、放射線治療)です。

しかしながら、がんの治療に関しては、三大療法を肯定するもの、否定するもの、あるいは治療の必要性に関してもいろいろな意見や考え方があります。

「がんは三大療法では治らない」
「三大療法は寿命を縮める」
「食事療法や代替治療だけでがんが完治する」
「がんは治療するな」・・・などなど。

いずれも一理ありますし、完全に間違っているものではありません。

ただ、現在行われている三大療法については、多くの場合、臨床試験などで有効性が認められたものであり、いわゆるエビデンス(医学的根拠)に基づいた治療法なのです。

また、三大療法はより効果的で安全な治療をめざして日々進化しています。

例えば、新しい手術法の開発、からだに負担の少ない内視鏡手術、ロボット手術の導入、
新しい抗がん剤や放射線治療の導入などです。
最近では分子標的薬という、がん細胞だけを狙い撃ちする効果的(かつ副作用の少ない)抗がん剤の開発もすすんでおり、
実際にがん患者さんに使われることが多くなりました。

もちろん三大療法は万能ではありません。

治療にともなう副作用や後遺症、またときには命を脅かすリスクを負わなければならないこともあるでしょう。
また、使い方を間違えれば「寿命を縮める」ことにもなりかねないのです。

とは言え、三大療法は(うまく使えば)最もすぐれた治療法であることは間違いありません。

わたしの考えるがんに対するベストの治療法は、
三大療法(手術、化学療法、放射線治療)のいいとこ取り+自分でできるセルフ治癒
と考えています。
さらに、適応や金銭面で可能であれば、免疫療法も追加するのもいいでしょう。

まずはがんのステージや悪性度をしっかりと確認し、三大療法がどの程度有効なのかを主治医に聞いてください。
納得がいく説明が得られない場合には、自分で調べたり、あるいはセカンドオピニオンもいいでしょう。

がんは進行度や悪性度(がんの性格、詳しくはこちらの記事)によって大きく治療法がちがってきます。

例えば早期のがんや、抗がん剤がきわめて効果的な一部のがんは三大療法だけで完全に治る(根治する)可能性があります。

ただ、がんになった人は、新しく他の部位にがんができる可能性が高いので、これを予防する意味でもセルフ治癒(生活改善)の導入が必要です。

進行がんの場合、三大療法だけでは治らないがんがあることも確かです。

この場合、三大療法だけに頼らず、むしろ三大療法のなかから「自分にあった治療をいいとこ取りする」くらいの気持ちが必要です。

例えば、手術によってがんをできるだけ取りのぞく、あるいは放射線や抗がん剤によって生きているがん細胞の数を減らし、同時に生き残ったがんに対して自分でできるセルフ治癒を続けていくというのが理想です。

わたしは消化器外科医なので、短時間で、がんのかたまりの全部あるいは大部分を除去できる外科手術が、がんに対する最高の治療法であると考えています。

もちろん手術はからだに負担になりますし、免疫力を低下させることもあるでしょう。
また、術後に合併症や後遺症がおこり、病状が悪化したり、QOL(生活の質)が低下するリスクもあります。
ですので、その適応には慎重さが必要です。

セルフ治癒の目的は、食事によってがんに対して栄養を与えないようにすることと、本来の免疫力を高め、がんを攻撃する自己治癒力を復活させることです。

大きながんのかたまりに対しては、やはり「多勢に無勢」で、セルフ治癒だけや代替治療だけでは歯が立たないと考えられます。

がんのかたまりをできるだけ体から取りのぞき、生き残りのがん細胞に対してセルフ治癒(+副作用の少ない抗がん剤あるいは免疫療法など)で立ち向かいましょう。

もちろん、がんに対する考え方は様々ですので、治癒が難しいがん(難治がん)や終末期の場合には「積極的な治療(三大療法)はしない」、あるいは「何もしない」という選択肢があってもいいと思います。

ただ、この場合でもQOL(生活の質)を少しでも落とさないようにセルフ治癒をおこなうことは意義のあることだと思います。

ここで紹介している「がんを治すために自分にできること」は、残された時間を少しでも長く、またできるだけ苦痛がなく、充実した生活を送るためにも役に立つと思います。




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プロフィール

佐藤 典宏(さとう のりひろ)

Author:佐藤 典宏(さとう のりひろ)
みなさん、こんにちは!
北九州の大学病院で消化器外科医として働いています。
がん患者さんにとって、少しでも役に立ち、またはげみになる情報をお伝えできればと、ブログを開設しました!よかったら、こちらのサイトもどうぞ↓↓↓

あきらめない!がんが自然に治る生き方
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